タロット
フルフィギュア・コート
ふるふぃぎゅあこーと 別名:Full-figure court・Full-length court・シングルフィギュア・コート意味
フルフィギュア・コートは、王、女王、騎士、ジャックなどを、一人の全身像として一方向に描く人物札です。人物の頭から衣装の裾や足元までを一つの画面に収め、上半身を上下へ重ねるダブルヘッド型と区別します。札を180度回すと人物も逆さになるため、向きが見た目にはっきり表れます。
解説
英語のfull-lengthまたはfull figureは、人物を全身で示すことに重点があります。single-figureまたはone-wayは、人物像を一方向だけに置くという構成上の呼び方です。二つの用語は同じ札を指す場合もありますが、全身像の範囲と向きのどちらに注目するかに差があります。
プレイングカード史の資料では、初期から19世紀半ばごろまで、イギリスの王、女王、ジャックは全身を立たせた一方向の肖像が一般的でした。現存する初期のダブルヘッド型は18世紀後半に現れ、イギリスで広く受け入れられたのは1860年代以降です。全身像は新型が普及する前の基準を伝える一方、地域やデッキによって後世にも残りました。
タロットでも全身を一方向に描く人物像が使われてきました。国際プレイングカード協会が記録するマルセイユ・タロットの標準パターンは、各スートの王、女王、騎士、ジャックと21枚の切札をsingle-figureで表す構成です。大英博物館には、人物札を全身像にした18世紀の占い用トランプも所蔵されています。用途の特定には、枚数、スート、題名、説明書との照合が要ります。
札を見る時は、人物の足元や座面、地面線、持物、視線の方向が、全身像の構成と人物類型を見分ける手がかりです。占いで向きを使う場合、全身像は正位置と逆位置を視覚的に判別しやすくします。逆位置の採否と意味はデッキの規則に属するため、付属説明書が基準です。