神話

アラクネの変身

あらくねのへんしん

意味

アラクネの変身は、織物競争の後に首をつった織工を、ミネルヴァが蜘蛛へ変える『変身物語』第6巻の場面です。縮む身体、脚へ変わる指、腹から出る糸、兜を着けた女神が、人から蜘蛛へ移る瞬間を示します。

解説

アラクネの織物には技術上の欠点がなく、神々が人間を欺いた場面が並びます。ミネルヴァはその布を裂き、杼でアラクネを打ちました。アラクネが首をつると、女神は縄をゆるめ、薬草の汁をかけて彼女の姿を変えます。

オウィディウスは、髪、耳、鼻が消え、頭と体が縮み、細い指が脚として脇につき、残った腹から糸が出る順序を記しました。人の指が蜘蛛の脚へ変わり、織工だった過去は腹から紡ぐ糸に残ります。

後世の版画は変身の時点をさまざまに選びました。アントニオ・テンペスタの1606年の版画は、人の両腕を蜘蛛の巣へつなげています。1775年の版画では、窓の巣に座る蜘蛛と、織機の脇で腕を上げるミネルヴァが同じ画面に置かれました。人の身体が残るか、蜘蛛の姿まで進むかを見ると、画家が選んだ瞬間を判別できます。