哲学・心理
内集団バイアス
ないしゅうだんばいあす 別名:in-group bias・ingroup bias・in-group favoritism・ingroup favoritism・内集団ひいき意味
内集団バイアスとは、自分が所属すると認識する集団の成員に、評価、協力、資源配分で有利な判断をしやすい傾向です。身近な集団を好むことと外集団への敵意は別の側面であり、内集団の優遇だけが表れる場合もあります。
解説
タジフェルらは一九七一年、既存の対立や個人的な利害を外し、絵の好みなどわずかな基準で少年を二集団に分けました。参加者は匿名の他者へ実際の金銭報酬を配分し、同じ集団の成員が有利になる選択をしました。自集団と外集団の差を広げる配分では、自集団が受け取れる総額の一部を犠牲にする傾向も見られました。この手続きは、集団カテゴリーの認識から優遇が生じる条件を調べる「最小条件集団」の出発点です。
ビリッグとタジフェルは一九七三年、集団を無作為に割り当てる条件と、人を似た者同士に分けても集団という名称を与えない条件を比べました。無作為な分類でも、参加者が二つの集団として認識すると外集団に不利な配分が生じました。ただし、参加者の選択には公平さも影響しています。集団の境界と公平さが、同じ配分判断に加わった結果です。
二〇一四年のメタ分析では、協力行動における内集団優遇は小から中程度の効果を示し、成員同士の結果が相互に依存する状況で強まりました。分類だけがあり相互依存のない条件では効果が弱く、誰がどの集団に属するかを互いに知る条件でも差が広がっています。研究全体では、内集団へ利益を与える選択の方が、外集団を傷つける動機に比べて集団間の差をよく説明しました。内集団への好意と外集団への敵意は、独立した側面として区別する必要があります。
占いの流派、学習会、愛用するデッキを比べる時は、作成者名や所属を伏せた解説例を用意し、出典、説明の明確さ、訂正可能性を同じ基準で採点します。所属を明かした後に点数が上がった項目があれば、根拠を一文で書き直します。外集団同質性バイアスは外部集団の成員が似て見える判断、同調は集団の基準に行動を合わせる選択、バンドワゴン効果は支持の多さが魅力を高める現象です。内集団バイアスでは、所属が評価や配分を有利に動かしたかを調べます。