哲学・心理

同調

どうちょう 別名:conformity・社会的同調・集団同調

意味

同調とは、周囲の人々が示す判断や行動を手掛かりに、自分の判断や行動を集団の基準へ近づけることです。正解が明らかな課題でも生じ、受け入れられたい気持ちと、他者を情報源とみなすことの両方が関わります。

解説

アッシュの一九五六年の研究では、男子大学生百二十三人が線の長さを見比べました。比較する線は単純でしたが、実験協力者が全員で同じ誤答を述べる試行が設けられています。この結果が示したのは、明白な課題でも全員一致の多数派が判断を揺らしうること、そして独立した回答も繰り返し現れたことです。その数値の適用範囲は、参加者、課題、集団の人数が定められた実験条件に限られます。

ドイッチュとジェラードは、同調に関わる社会的影響を二つに分けました。規範的影響は、仲間に受け入れられたい、対立を避けたいという動機から、周囲の期待に沿う反応です。情報的影響では、自分の判断に確信を持ちにくい時、他者の判断を現実についての手掛かりとして受け入れます。前者では表向きの回答だけが変わる場合があり、後者では判断そのものが変わりえます。どちらが強いかは、課題の曖昧さ、回答が公開されるか、集団の一致度などに左右されるでしょう。

バンドワゴン効果は、支持者の多さや人気そのものが評価を押し上げる傾向です。権威への服従は、立場の強い人物からの指示に従う場面へ焦点を当てます。情報カスケードは、先に選んだ人々の行動を見て、自分の情報より行動の列を優先する逐次的な仕組みです。同調は、現実にいる集団や想像上の集団規範へ判断や行動を近づける、より広い概念といえます。文化や時代による平均差も報告されているため、人に固定された性質の判定は用語の適用範囲から外れます。

複数人でカードを読む時は、各自が図像上の事実と解釈を個別に記録してから、意見を共有します。判断を変えた人は、新しく得た事実や筋道を変更理由として残します。「皆が同じ意味だと言ったから」だけでは、図像や相談内容との対応を後からたどるのが難しくなるでしょう。少数意見にも根拠を尋ねれば、異論を含めた複数の読みを比較できます。同調という観点を使うと、意見を聞く順序と記録方法を整えられます。