哲学・心理

計画錯誤

けいかくさくご 別名:planning fallacy・planning bias・計画バイアス

意味

計画錯誤とは、自分が進める課題の完了までに必要な時間を、実際より短く見積もりやすい傾向です。現在の計画手順へ集中し、似た課題の所要時間や中断、修正の記録を予測へ十分に反映しない時に生じます。

解説

ビューラー、グリフィン、ロスは一九九四年、卒業論文に取り組む学生三十七人へ完了日を予測してもらいました。完了を追跡できた三十三人では、最も現実的だとした予測が平均三三・九日後、実際の完了は平均五五・五日後でした。その予測日までに終えた学生は二九・七%です。同じ論文が報告した日常の学業課題と私用課題でも、予測日数は実際の日数より短くなりました。

参加者が予測中に話した内容を分析した実験では、発言の七四%が未来の筋書きに関するもので、関連する過去の経験は七%でした。別の実験で、過去の類似課題と現在の予測を明示的に結び付けた群は、平均の予測日数と実際の日数がともに七・〇日になりました。群平均の一致と、一人ずつの誤差の大きさは別の評価です。参照する過去の課題が現在の課題と比べられるかも確かめる必要があります。

一九九七年の二研究では、早く終えたいという動機を強める条件で、未来の手順へ注意が集まり、完了予測はさらに短くなりました。ロイらの二〇〇五年の研究整理は、過去の所要時間を参照していても、その時間自体を短く思い出せば予測も短くなるという説明を示しています。二〇一〇年の研究整理は、計画錯誤に認知、動機、社会的な伝達、行動の過程が関わる統合モデルを提示しました。全体像には複数の原因を分けた検討が要ります。

占いから行動計画を作る時は、似た課題の実績を集め、中央値と長くかかった事例を予測の基準にします。その上で、外部の返答待ち、手戻り、休止日を工程ごとに加え、予測と実績を同じ表へ残します。楽観バイアスは将来の結果を有利に見る広い傾向、基準率無視は同種事例の頻度を判断へ十分に使わない傾向、過信効果は確信と客観的な正確さのずれです。計画錯誤では、課題の完了時間と実績の差を中心に調べます。