哲学・心理

基準率無視

きじゅんりつむし 別名:base rate neglect・base-rate neglect・base rate fallacy・基準率の無視

意味

基準率無視とは、個別の証拠を評価する時、その対象が属する集団で事象が起きる割合を十分に判断へ反映しない傾向です。基準率とは、個別情報を得る前に分かる集団全体の割合を指します。

解説

一九七三年の実験では、百人の内訳を技術者三十人・弁護士七十人、または技術者七十人・弁護士三十人としたうえで、一人の人物紹介から職業の確率を尋ねました。紹介文がある条件では、内訳を入れ替えた二つの群の回答が似た値に集まりました。紹介文がない条件では七〇%と三〇%を使い分けています。集団の人数比を知っていても、個人の描写が加わると、その比率の影響が小さくなった例です。

人物紹介が職業の典型像にどれほど似ているかで判断する方法は、代表性ヒューリスティックと呼ばれます。個人について詳しく書かれた情報は、判断対象に直接関係するように感じられ、集団全体の統計を上回って重く受け止められます。一九八〇年の研究では、この関連性の感じ方を変えると、基準率も個別情報と組み合わせて使われました。基準率無視の現れ方は、情報の内容と示し方で変わります。

基準率と個別の証拠を合わせる時は、事前確率と証拠の当てはまりを分けます。事前確率は、新しい証拠を得る前の見込みです。確率を「百人のうち何人に起こり、そのうち何人が個別の特徴を持つか」という件数で表すと、条件付き確率を計算しやすくなることが実験で示されています。人物の印象を検討する前に母集団、期間、件数を書けば、何を基準率として使ったかも残せます。

タロットで珍しい出来事の可能性を考える場合、最初に問いの期間と比較対象を決めます。次に、公的統計や過去の記録から分かる割合と、相談者の個別事情を別々に置き、最後にカードから生じた解釈を加えます。客観的な割合を示す資料がなければ、起こる確率は未確定です。カードは気掛かりや選択肢の整理に使い、病気、犯罪、投資損失などの確率は公的資料と専門家の評価で検討します。