哲学・心理

自己奉仕バイアス

じこほうしばいあす 別名:self-serving bias・self-serving attributional bias・自己奉仕的帰属バイアス

意味

自己奉仕バイアスとは、好ましい結果を自分の能力や努力へ、好ましくない結果を課題の難しさ、偶然、他者などへ帰属し、自分に有利な形で原因を説明しやすい傾向です。心理学でいう帰属は、行動や結果が生じた原因を推測することを指します。

解説

シュレンカーとミラーは一九七七年、男性百四十四人を四人組の問題解決課題へ参加させました。参加者は、自分の提案が集団の多数意見または少数意見だったと知らされた後、集団の成績が非常に良い、平均的、非常に悪いという結果を受け取りました。参加者は良い集団成績に自分を強く結び付け、悪い成績からは自分を遠ざけました。この実験は、同じ課題の結果が好ましいかどうかによって、本人が割り当てる責任の大きさが変わることを示します。

ミラーとロスは一九七五年、当時の原因帰属研究を再検討しました。成功を自分へ結び付ける自己高揚的な帰属には一定の証拠がありましたが、失敗を外部へ移す自己防衛的な帰属の証拠は少ないという結論でした。成功を期待していた人が、期待どおりの結果を自分の行動へ結び付けるなど、情報処理から説明できる場合もあります。自尊感情を守る動機は有力な説明の一つです。動機まで特定するには、本人の期待や実験条件を含む追加証拠が要ります。

キャンベルとセディキデスによる一九九九年のメタ分析は、課題の重要性、結果への期待、自尊感情など十四の調整要因を整理し、自己への脅威が強い条件ほど自己奉仕的な帰属が大きいという結果を示しました。メズリスらは二〇〇四年、二百六十六研究から五百三の独立した効果量をまとめ、平均では大きな偏りを報告しています。ただし、効果の大きさは年齢、文化、心理的な状態によって変わりました。自己奉仕バイアスの有無と強さは、対象集団と測定方法を明らかにして評価する必要があります。

占いの的中と不一致を振り返る時は、判定基準を結果が分かる前に定め、どちらも同じ様式で記録します。的中には解釈の根拠、不一致には質問設定、表現の幅、情報不足、偶然など、占い手側と状況側の候補を同じ表へ置きます。基本的帰属の誤りは他者の行動で性格を重く見る傾向、行為者観察者バイアスは本人と観察者の原因説明が異なるという仮説、バイアスの盲点は自分より他者に偏りを多く認める傾向です。自己奉仕バイアスでは、結果の良し悪しに応じて自分へ割り当てた原因が変わったかを調べます。