哲学・心理
満足化
まんぞくか 別名:satisficing・満足化原理・満足化基準意味
満足化とは、最低限満たしたい条件を希求水準として定め、候補を順に探して、その水準へ達した候補を選ぶ方法です。すべての候補から最大の価値を得る最適化とは、探索を終える基準が異なります。
解説
Simonが一九五五年に示した意思決定モデルでは、結果を満足できる側と満足できない側に分ける境界を希求水準と呼びます。候補が順番に現れる状況では、希求水準へ達した最初の候補を選ぶという停止規則を置けます。先に必要条件を決めるため、情報、時間、計算能力に限りがある場面でも、選択と探索終了の理由を明確にしやすい方法です。
希求水準は、経験と環境に応じて動きます。Simonは、条件を満たす候補が簡単に見つかる時には水準が上がり、見つかりにくい時には下がる調整を説明しました。候補が現れなければ探索範囲を広げる場合もあります。保証の範囲は、定めた水準への到達までです。客観的な最良候補や唯一の正解の判定は、別の比較課題として残ります。水準を変えた時は、変更した理由と時点を記録すると判断の過程をたどれます。
住まい探しなら、家賃の上限、通勤時間の上限、必要な広さ、契約上の安全条件を必須項目として先に置きます。日当たりや設備は希望項目として分け、内見した順に必須項目を照合します。期限までに必須項目を満たす候補が見つかれば、そこで申し込みへ進むのが満足化の例です。ただし、耐震性、契約、健康への影響など安全に関わる確認は、探索を終えた後も継続します。
最適化は、目的と制約のもとで比較可能な候補から最も高い評価を得る案を探します。満足化は、希求水準へ達した候補で探索を止める方法です。限定合理性は、情報、時間、認知能力、環境の制約を含めて実際の選択を説明する広い考え方であり、満足化はその中で使われる代表的な手順です。決定目標は、今回の選択で達成したい状態を言葉にし、希求水準を作る土台になります。
満足化をタロットと結び付ける時の出発点は、カード名、向き、人物、持ち物、背景、配置を図像上の事実として記録することです。「完璧を探し続ける時期から、必要条件を満たす案へ移る」という言葉は占術上の解釈であり、停止基準を考えるきっかけになります。候補が家賃、契約条件、健康上の要件を満たすかは、物件資料、契約書、専門家の説明などで確かめます。希求水準と探索を終える時点を決める主体は本人であり、最終決定も本人の役割です。