哲学・心理
ラポール形成
らぽーるけいせい 別名:rapport building・rapport・信頼関係の形成意味
ラポール形成とは、相手と互いに注意を向け、安心して話せる感覚と会話の調子を育て、協力できる関係をつくる過程です。単なる親しさとは区別され、説明の明確さ、訂正しやすさ、約束と境界を守る行動が土台になります。
解説
ティクル=デグネンとローゼンタールは1990年、ラポールを相互の注意、肯定的な感触、協調という三要素が関わる動的な構造として説明しました。関係の初期は肯定的な感触と注意、関係が続くにつれて協調が相対的に重くなると仮説を示しています。これは非言語行動を研究するための概念モデルです。信頼を保証する条件と同一視することを避け、関係の状態を振り返る視点として参照します。
ラポールは、開始時に提供内容と役割を説明し、相手が期待できることを明らかにするところから育ちます。対話では相手の速さを尊重し、言葉と非言語の手掛かりへ注意を向けることが大切です。受け取った意味を短く返し、誤りがあれば訂正してもらいます。約束した時間と守秘を守り、終了が近い時も前もって伝える行動が、予測できる関係を支えます。
タロット相談の冒頭では、所要時間、カードを使う方法、解釈的な性質、途中で止める方法を説明します。相談者が職場の対立を話したら、まず「役割を押し付けられたと感じているのですね」と理解を返し、合っているかを尋ねます。カードを開いた後は、人物同士の向きや距離など目で確かめられる図像と、そこから読む緊張や協力の可能性を分けて伝える流れです。相談者が読みを採用しない選択も、関係の安全を保つ上で尊重されます。
作業同盟は、相談者と支援者が目標、取り組む課題、関係上の絆について協力できる状態です。積極的傾聴は、言葉と非言語の手掛かりへ注意を向け、理解を返して確かめる聞き方全体を指します。受容的態度は、発言や感情への評価を急がないで、その人の経験として理解しようとする姿勢です。ラポール形成は、これらの技能や姿勢が働く中で、双方が話しやすさと協調を感じる関係の過程に焦点を置きます。