哲学・心理

推移性

すいいせい 別名:transitivity・transitive preference・推移性公理

意味

推移性とは、AをBと同等以上に望ましいとし、BをCと同等以上に望ましいとするなら、AもCと同等以上に望ましいとする選好の整合条件です。三つ以上の候補を比べた時に、優先関係が循環していないかを確かめる基準になります。

解説

決定理論では、「AはBと同じか、それ以上に望ましい」という関係を弱い選好と呼びます。弱い選好に推移性がある時、AをB以上、BをC以上に置いた比較から、AをC以上に置く関係が導かれます。AをBより厳密に好み、BをCより厳密に好む場合も、推移性のもとではAがCより上です。推移性が示すのは、同じ候補、時点、情報、評価基準で行った比較のつながりです。

例えば研修案A、B、Cを比べ、AをBより上、BをCより上に置きながら、CをAより上に置くと、三案の関係は循環します。まず各比較で使った基準を表へ戻し、費用、所要時間、学習内容などが途中で入れ替わっていないかを調べます。次に対象期間、予算、入手した情報をそろえて比較し直す手順です。条件の変化が順位を動かした場合は、変化前後を別々の選好として記録すると、矛盾と状況変化を切り分けられます。

標準的な選択理論でいう弱い順序は、完備性と推移性を満たす選好関係です。候補が有限なら、二つの条件がそろった順序は序数効用の数値で表せます。つまり、数値表現や最良案を論じる前提には、三候補のつながりと、候補組を比較できることの両方が入ります。推移性が評価する対象は比較関係の整合です。価値判断の妥当性、情報の正確さ、将来も順位が続くかは、それぞれ別の根拠から確かめます。

タロットでは、カード名、向き、人物、持ち物、背景、配置が図像上の事実です。「成長を優先したい」「負担の軽さも譲りたくない」という言葉は占術上の解釈であり、比較基準を探すための仮説になります。どの候補を上位に置くかは、本人が現実の費用、時間、契約条件、安全性を照合して決める内容です。カードの並びを候補の順位へ移すと本人の比較が抜けるため、二候補ずつ同じ基準で比べ、理由を記録します。

選好は、二つの候補の間に置く望ましさの関係です。選好順序は、その関係を候補集合全体でまとめた構造を指します。完備性は、どの二候補も少なくとも一方向に比較できるという条件です。推移性は三候補以上の比較のつながりに焦点を置き、循環の有無を点検します。