哲学・心理

認識的不確実性

にんしきてきふかくじつせい 別名:epistemic uncertainty・knowledge uncertainty・知識の不確実性

意味

認識的不確実性とは、対象について得られる知識、データ、観察、モデルが不十分で、正しい値や説明を一つに定められない状態です。追加情報やモデルの改善によって減らせる可能性があります。ただし、どこまで減らせるかは対象と調査方法に左右されます。

解説

知識の不足は複数の場所に生じます。測定値が少ない、相手の返答を得ていない、重要な条件を記録していない場合はデータの不足です。仕組みを十分に表せない場合はモデルの不確実性、モデルへ入れる値を絞れない場合はパラメータの不確実性に当たります。何が分からないのかを分けると、追加調査が役立つ箇所を選べます。

偶然的不確実性とは、同じ仕組みの中でも結果にばらつきが生じることです。工学では aleatory uncertainty と呼びます。認識的不確実性は知識の不足、偶然的不確実性は対象にある変動として区別されます。ただし、境界は分析の目的とモデル次第です。現在は変えられないばらつきと考えていても、仕組みが分かれば一部を説明できる場合があるため、分類理由を残します。

例えば、契約書をまだ読んでいないため解約期限が分からない状態は、原文を調べれば減らせる認識的不確実性です。担当者が将来どの日時に返答するかには、本人の予定や新しい業務など複数の変動が関わります。原文、公式連絡、当事者への質問で確かめられる事項を先に分け、残る幅を判断期限とともに示します。

タロットで確かめられる事実は、質問、抽出手順、カード名、向き、描かれた人物や物、展開上の位置です。相手の本心、まだ交わしていない契約の条件、将来の出来事を図像から事実とするには、判断の根拠が不足しています。カードへ与えた意味は占術上の解釈として記録し、公式文書、本人の返答、実際の出来事で確かめる項目と分けます。読みが情報不足を埋めたように感じた場合も、未知の事実が判明したという根拠は別に必要です。

判断保留は、根拠がそろうまで結論を確定しない態度です。不確実性の明示は、分かる範囲と分からない範囲を相手へ伝える実務上の方法を指します。偶発性は、条件が違えば別の成り行きもあり得たかという性質です。認識的不確実性を起点にすると、追加情報で減らせる部分、現時点で残る幅、別の結果があり得る条件を順に整理できます。