哲学・心理

後知恵バイアス

あとぢえばいあす

意味

後知恵バイアスとは、結果が判明すると、事前に感じていた不確実さが小さく見え、その出来事は予測できた、または避けられなかったと考えやすくなる傾向です。「後知恵効果」も同じ現象を指します。このページでは、占断や判断を振り返る時に生じる評価の偏りに焦点を当てます。

解説

一九七五年の実験では、歴史上または臨床上の出来事と複数の結末を示し、一部の参加者だけに実際の結末を伝えました。結末を知った群は、その情報を無視して判断するよう求められても、伝えられた結末へ高い確率を割り当てる傾向を示しています。結果が分かると、当時ほかの結末もあり得たという不確実さを再現しにくくなるのです。

後知恵バイアスには三つの表れ方があります。以前の予想を実際より結果に近く記憶する「記憶の歪み」、起きた結果を避けられなかったと考える「必然性」、自分なら予測できたと感じる「予見可能性」です。例えば契約が不成立になった後で、「最初の返信から結末は明らかだった」と思っても、当時の記録には成立と不成立の両方を考えた形跡が残っている場合があります。

効果の強さは人や課題によって変わります。百二十二研究をまとめたメタ分析では、確率判断に対する平均的な効果は小さく、課題への慣れや、どの結果情報を与えたかによって大きさが変わりました。振り返りでは、まず事前の記録と事後の説明にどの程度の差があるかを比べ、その差の内容を確かめます。

タロットでは、引いたカード名、向き、位置、描かれた物が観察事実です。カードを開いた時点の解釈と、後に起きた出来事は、日時を分けて記録します。例えば当初は「仕事量が増えるかもしれない」と書き、退職後に「退職を示していた」と読み替えたなら、その追加部分は結果を知った後の解釈です。印刷された図像は、結果の前後で同じです。

対策の起点は、予測、確信度、理由、代わりに起こり得る結果を、結末が分かる前に保存することです。振り返る時はその記録を読み、当たった点、外れた点、判断できない点を同じ基準で分けます。後知恵効果のページは実験結果と三側面、確証バイアスは予想に合う情報を選びやすい傾向、決定後評価は選択後に手順と結果を検討する工程を詳しく説明します。