哲学・心理

決定後評価

けっていごひょうか 別名:post-decision evaluation・decision review・意思決定レビュー

意味

決定後評価とは、選択を実行した後に、選択時の目的と前提、判断手順、実行状況、実際の結果を分けて振り返り、次の判断へ学びを残す作業です。結果の良し悪しだけで決定の質を決めると、運や偶然の影響まで判断手順の評価へ混ざります。

解説

この辞典では、公的な政策評価と意思決定研究を参考に、個人の選択を振り返る工程を決定後評価と呼びます。振り返りの基準を作る時期は、選ぶ前です。目的、比較した候補、当時使えた情報、予想した結果、見直す日を事前に記録しておけば、後から得た知識と当時の判断材料を切り分けられます。

実行後には、予定した行動をどこまで実施したか、期待した結果へ届いたか、予想外の影響が出たかを評価します。良い結果だけでは、判断手順の質を裏づける証拠として不十分です。根拠の弱い賭けが偶然当たることもあれば、当時の情報を丁寧に比較した選択が、予測できない出来事によって悪い結果へ進むこともあるからです。そこで判断手順の質と結果を別欄で評価すると、次回も残す手順と修正する前提を見分けられます。

BaronとHersheyの実験では、同じ判断情報を示しても、好ましい結果を知った参加者ほど判断過程を高く評価する結果が報告されました。結果バイアスと呼ばれる現象です。Fischhoffの実験は、結末を知ると、その結末を事前にも予測しやすかったと見積もる傾向を示しました。さらにBrehmの実験では、選択後に選んだ品の望ましさが上がり、見送った品の望ましさが下がる変化が報告されています。決定前の記録を残す理由は、こうした振り返り時の変化を小さくするためです。

タロットの記録では、カード名、向き、人物、持ち物、背景、配置が図像上の事実です。「今は安全を優先する時期だ」という言葉は占術上の解釈に当たります。実際に送った連絡、支払った金額、起きた出来事は現実の記録です。この三つを同じ欄へ混ぜると、後から意味を変えて当たったことにしやすくなります。解釈と行動を日付付きで残し、評価時には当時の記録を先に読み返します。

意思決定プロセスは、問題の把握から候補比較、選択、実行までの流れ全体です。決定後評価は、その流れを実行後の証拠から振り返る工程に焦点を置きます。後知恵バイアスは、結果を知った後で予測可能性を高く見積もる傾向です。認知的不協和は、選択と考えの食い違いから生じる不快感や、その調整を説明する概念です。三つを分けると、評価手順と評価をゆがめ得る心理的要因を整理できます。