象徴

大象伝

だいしょうでん

意味

大象伝は、六十四卦ごとに上下二つの八卦が作る「象」を示し、そこから君子の行動原則を導く『易伝』の注釈です。卦全体を読むための文であり、各爻を説明する小象伝とは役割が異なります。

解説

たとえば乾卦の「天行健、君子以自強不息」は、乾を天の運行として捉え、君子が自ら努め続ける態度へ結び付けた文です。多くの大象伝では、上卦と下卦の自然像や配置を述べた後、「君子以」などの句によって人の実践へ話が移ります。ここでいう「象」とは、八卦が担う天・地・雷・風・水・火・山・沢などの意味と、その組み合わせから生じる関係のことです。

大象伝は、卦辞と爻辞より後に編まれた注釈群に属します。占筮での役割は、得た卦の構造から何を観察し、どんな態度へつなげるかを考えることです。古代の君子が担った統治や礼の文脈を現代へ置き換える際は、原文が示す対象を確かめたうえで、解釈の範囲を相談者が負う責任や選べる行動に絞ります。