哲学・心理
イニシエーション
いにしえーしょん意味
イニシエーションは、人を新しい社会的地位、集団、役割へ正式に迎え入れる儀礼です。成人、宗教共同体への加入、職務への就任などの移行を、本人と共同体の双方が確認する手続きに当たります。
解説
民族学者アルノルト・ファン・ヘネップは、通過儀礼を以前の地位から離れる「分離」、地位が定まらない「移行」、新しい地位で社会へ戻る「統合」の三段階に整理しました。移行段階はリミナリティ、つまり一つの地位を離れ、次の地位へ入る前の境界状態とも呼ばれます。三段階は儀礼を比較するための分析枠であり、実際の順序、期間、重みは文化や儀礼によって変わります。
名称の変更、特別な衣服、教えを受ける期間、誓約、共同体への公開といった行為は、新しい権利と責任を目に見える形にします。ただし、似た行為でも、参加を決める人、承認する人、終了後の役割が違えば意味も変わります。個人の成長に重ねるときは、固有の宗教や地域社会が持つ制度差を省かないことが重要です。
神話やタロットの解釈では、出発、境界での試練、帰還という物語構造がイニシエーションの比喩になります。これは儀礼研究を応用した解釈です。個人の危機や心境の変化を説明する場合は、文化人類学上の加入儀礼との違いと、どの段階に類似するのかを示します。