石

菱苦土石

りょうくどせき 別名:Magnesite

意味

菱苦土石は、化学式MgCO3をもつ炭酸マグネシウム鉱物です。白色や灰色の緻密な塊として見つかることが多く、方解石と同じ炭酸塩鉱物のグループに属します。焼成して得る酸化マグネシウムは、高温に耐える工業材料の原料です。

解説

菱苦土石は、マグネシウムと炭酸イオンからなる炭酸塩鉱物です。結晶分類は六方晶系として扱われ、方解石と同じ鉱物グループに入ります。菱面体の結晶が見つかることもありますが、土状、チョーク状、磁器状、繊維状、粒状の塊として採取される例が多く、硬度はおよそ3.5から4.5です。結晶面が現れた標本では完全な劈開が観察できます。

菱苦土石は、かんらん岩や蛇紋岩のようにマグネシウムを多く含む岩石が、二酸化炭素を含む流体と反応して変化する過程で生じます。堆積岩や火成岩に含まれる場合、熱や圧力を受けた変成作用、熱水の通り道、海水が濃縮して塩類が沈殿する蒸発岩でも形成されます。色や質感には幅があるため、見た目だけで方解石、苦灰石、菱鉄鉱と区別することはできません。

菱苦土石を焼くと、炭酸イオンの一部が二酸化炭素として抜け、酸化マグネシウムであるマグネシアが得られます。マグネシアは高温で形を保ちやすく、鉄鋼、非鉄金属、ガラス、セメントをつくる炉や窯の内張りに使う耐火物の材料です。採掘された菱苦土石、焼成後のマグネシア、元素としてのマグネシウムは、名前が近くても別の対象です。

占いで、マグネシウムに富む岩石が流体との反応を経て菱苦土石になることを、環境との関わり方を見直す比喩にする場合があります。この連想は鉱物の生成過程を人の状況に重ねた文化的な読みです。菱苦土石が持久力や心身の状態を変えるという科学的根拠を示すものではありません。