哲学・心理

感情機能

かんじょうきのう

意味

感情機能は、ユングの類型論で、ある物事を好ましいと感じるか、自分にとって価値があるかを判断する心の機能です。何を大切にし、何を受け入れるかという評価に関わります。

解説

ここでいう感情は、価値を評価する過程を指す専門語です。ユングは、怒りや恐れで体が震えるような強い情動と、感情機能を区別しました。「この約束を守ることが自分には大切だ」と落ち着いて判断する場合も、価値を基準にする点で感情機能の例になります。

ユングは思考と感情を、判断を行う「合理機能」に分類しました。思考が概念のつながりや論理を基準にするのに対し、感情は好ましさや価値を基準にする、という整理です。たとえば仕事を選ぶ際、勤務時間と通勤時間から生活が成り立つかを考える過程と、その仕事にどのような意義を感じるかを考える過程では、判断の基準が異なります。これは二つの機能の違いを日常に置き換えた例です。

価値判断の拠り所にも違いがあります。ユングの説明では、自分の内側で大切だと感じる価値に重きを置く場合と、周囲との関係や社会で共有される価値に重きを置く場合があります。この違いが、感情機能の内向・外向という区分です。意見が分かれた場面で、それぞれが何を大切にしているかを考える手掛かりになります。