神話
神々の饗宴
かみがみのきょうえん意味
「神々の饗宴」は、複数の神々が飲食や祝宴に集う姿を描く神話図像の総称です。この題名は複数の物語に使われるため、眠る人物、ロバ、黄金の林檎など、周囲の要素から場面を特定します。
解説
ベッリーニとティツィアーノの《神々の饗宴》は、オウィディウスの『祭暦』第1巻に基づきます。宴で眠ったニンフのロティスへプリアポスが近づきますが、シレノスのロバが鳴き、ロティスは目を覚まして逃れました。画面右端の眠る女性、衣へ手を伸ばす男、左端のロバは、危険が中断される直前を示す図像上の手掛かりです。
もう一つの代表的な主題が、英雄ペレウスと海の女神テティスの婚礼です。招かれなかった争いの女神エリスが、「最も美しい者へ」と記された黄金の林檎を投げ入れ、ヘラ、アテナ、アフロディーテの争いが始まります。多数の神、婚礼の男女、上方や画面端から林檎を投げる女性がそろえば、この場面と判断できます。
祝宴という構図は共通していても、物語の焦点は作品ごとに異なります。ロティスとロバがいる絵はプリアポスの接近が露見する場面、エリスと林檎がいる絵はパリスの審判へ続く婚礼です。神々の持ち物は人物識別に役立ちますが、主題は人物の組み合わせと行動から見分けられます。