占星術
軌道傾斜角
きどうけいしゃかく意味
軌道傾斜角は、天体の軌道面が選んだ基準面に対してどれだけ傾くかを0〜180度で表す軌道要素です。記号iを用い、昇交点黄経と組み合わせて軌道面の空間的な向きを定めます。
解説
0度は基準面上を順行する軌道、90度は基準面へ直角に立つ軌道、180度は基準面上を逆行する軌道を示します。地球周回軌道なら天の赤道、太陽周回軌道なら黄道面を基準にする例が一般的です。同じ天体でも、中心天体と基準面が変われば傾斜角の値も変わります。
軌道面と基準面は一本の線で交わり、その両端をノードと呼びます。天体が基準面の下側から上側へ抜ける点が昇交点、反対側が降交点です。この幾何では、傾斜角iが二つの面の開き、昇交点黄経Ωが交線の向きを担います。iが0度または180度になると交線は一意性を失うため、計算ソフトにはΩを0度と置く規約があります。
接触軌道の傾斜角は、指定した元期の位置と速度から求める瞬間的な値です。実軌道はほかの天体の重力を受けるため、iも時間とともに変化します。数値を比較する時は、中心天体、基準面、座標枠、元期、平均要素か接触要素かをそろえる必要があります。
軌道傾斜角は軌道面全体の向きを示し、黄緯や赤緯は指定時刻における天体の座標を示します。傾いた軌道上の天体もノードを通過する瞬間は基準面上に来るので、その時の黄緯は0度です。出生図の円環に示すサイン度数は主に黄経で、傾斜角とは別の量です。
占星術では月のノードなどへ象徴的な意味を与えますが、人物像や出来事への意味づけは軌道傾斜角の天文学的な定義と根拠の異なる占術上の段階です。傾斜角を直接読む手法を採用する場合は、対象天体、計算条件、判断規則を明記し、通常のノードや黄経の解釈と分けて検証します。