占星術

軌道要素

きどうようそ

意味

軌道要素は、中心天体の周囲を回る天体の軌道について、大きさ、形、空間内の向き、ある時点の位置を表す数値の組です。楕円軌道の基本的な表現では六要素を使い、その値が対応する元期も記録します。

解説

六要素は役割ごとに分けると、軌道のどの性質を表すかが見通せます。大きさと形を担うのが、軌道長半径aと離心率eです。軌道傾斜角iと昇交点黄経Ωは軌道面の傾きと向き、近日点引数ωは軌道面内で近日点がある方向、平均近点角Mは元期に天体が軌道上のどこまで進んだかを表します。

数値を比較するには、何を中心にした軌道か、どの面と方向を基準にしたか、元期はいつかをそろえます。高精度の表では、座標枠、時間尺度、要素の種類も必要です。太陽中心と地球中心、黄道面基準と赤道面基準では、同じ天体でも要素の値が変わります。軌道の再現には、数値とこれらの条件を一組で使います。

六要素は、二体問題の範囲では、元期における位置と速度の六成分から成る状態ベクトルと相互に変換できます。実際の惑星や小惑星はほかの天体の重力を受けるため、その瞬間の位置と速度に接する接触軌道要素は、時間とともに変わる値です。一つの元期の要素を遠い時点までそのまま延ばすと、誤差が大きくなる場合があります。

高精度の天体暦は、状態ベクトルと重力モデルを使って運動を数値積分し、指定時刻の位置を求めます。続いて、その結果を観測者から見た地心座標や地表基準座標へ変換し、光が届く時間や光行差など必要な補正を加えます。ここで得るのが、チャートに使う天体位置です。軌道要素と完成したチャートのサイン度数では、計算過程で担う役割が異なります。

一般的な出生図や運行図に表示されるのは、指定時刻の黄経、黄緯、ハウスなどです。六つの軌道要素を人物像や出来事へ直接結び付ける方法は、天文学の定義が直接与える内容の範囲外です。その方法を採用する時は、手法名、使用する要素、判断規則を示し、通常のサインやアスペクトの解釈と分けて記録します。