占星術

赤経

せっけい

意味

赤経は、天の赤道上に置いた0時の方向から天体の時圏までを東向きに測る角度座標です。通常は0時から24時で表し、赤緯と組にして天球上の方向を指定します。

解説

時圏は、天体と天の北極・南極を通る大円です。赤経1時は15度に相当するため、赤経6時45分を角度へ直すと101.25度になります。この「時」は角度を六十進法で表す単位で、時計が示す日時とは役割が異なります。

赤道と春分点を基準にする伝統的な座標系では、黄道が天の赤道を南から北へ横切る春分点を赤経0時の方向に定めます。現代の国際天球基準系ICRSは、遠方の電波源によって軸を固定する座標系です。その赤経原点は、2000年初頭を基準にするJ2000.0の平均春分点と0.1秒角以内でそろいますが、地球の自転軸や黄道の移動から独立した方向として保たれます。

赤経を比べる時の前提は、基準系、基準時刻、平均位置か視位置かという出力条件です。J2000.0のカタログ赤経と観測日当日の赤経の差には、自転軸が長期的に向きを変える歳差と、短周期で揺れる章動が反映されます。恒星自身の空間運動を示す固有運動、地球の公転で生じる年周視差、観測地点による視差も対象に応じて計算へ加わるため、用途に合う値を選びます。

観測地点の子午線が天球のどの赤経を向くか表す値が、地方恒星時です。そこから天体の赤経を引いた差が時角で、両者が等しい瞬間は時角0です。この時、天体の時圏はその地点の子午線と重なり、天体が子午線を通過します。地方恒星時は地球の自転に伴って進む一方、同じ基準系の赤経は天球上の方向を表す座標です。

一般的な出生図のサイン度数は黄道に沿う黄経です。黄経と黄緯から赤経へ変換するには、黄道と天の赤道の傾きである黄道傾斜を使います。同じ黄経でも黄緯の差が赤経を変えるため、座標値を比較する時は変換条件を残します。赤経と赤緯の数値は天文学上の位置情報で、パラレルやハウスへ意味を結び付ける段階が占術上の解釈です。