占星術

ラス・アルハゲ

らすあるはげ 別名:Rasalhague

意味

ラス・アルハゲは、へびつかい座α星Aに付けられた固有名です。見かけの等級は2.08。高速で自転する白いA型準巨星を主星とする連星で、約49光年先にあります。

解説

主星のスペクトル型はA5 IVnnです。A5は表面温度が高く白く見える恒星、IVは主系列期を終えて膨らみ始めた準巨星を示します。末尾のnnは、光を波長ごとに分けたときの吸収線が、自転によって大きく広がって見えるという記号です。

主星は、星が形を保てる限界に近い速さで回転しています。複数の望遠鏡の光を組み合わせる干渉計観測では、赤道部分の膨らみと、極と赤道の表面温度差が捉えられました。さらに低質量の伴星が、細長い軌道で主星の周りを回っています。

Rasalhagueは、中世から使われたアラビア語ra’s al-ḥawwā’に由来し、「蛇を集める者の頭」を意味します。星図で、蛇を両手に持つへびつかい座の人物の頭に置かれたことを示す位置名です。このアラビア語自体に、医療や治癒という意味はありません。

へびつかい座の人物を医神アスクレピオスとみなす物語では、蛇と医術が結び付きます。固定星占星術でラス・アルハゲを知恵や治癒の象徴とする読みは、この星座神話に基づくものです。プトレマイオスはへびつかい座の星々へ土星と、弱い金星の性質を配しましたが、これは古代の象徴上の分類であり、高速自転や連星という観測事実とは別の説明です。