象徴

らしんばん座

らしんばんざ 別名:Pyxis・Pyx・Mariner Compass

意味

らしんばん座は、面積220.833平方度の南天のIAU星座です。学名はPyxis、略符はPyxで、18世紀の航海用磁気羅針盤を図柄とします。

解説

ラカイユは喜望峰で南天を観測し、1756年公刊の星図へla Boussole、フランス語で「羅針盤」を意味する星座を加えました。1763年の星表ではPyxis Nautica、つまり「航海用羅針盤」と記されています。ラカイユは古代のアルゴ座をとも座、ほ座、りゅうこつ座へ分け、その船の近くに新しい星座としてらしんばん座を置きました。

磁気羅針盤は、自由に回る磁針が地球磁場の水平方向にそろう性質を利用し、船の向きを知る器具です。磁針が示す磁北と地理上の真北には場所や時期によって差があり、その角度を磁気偏角と呼びます。星座の図柄は、目的地そのものより方位を確かめる道具を表しています。

らしんばん座の方向には、約1万5600光年先の再帰新星T Pyxidisがあります。再帰新星とは、白色矮星が伴星から受け取った水素を表面で爆発させ、増光を繰り返す連星です。これは星座内に見える天体の物理現象であり、羅針盤の機能とは別の情報に当たります。

占術で進路を選ぶ前の基準確認や、現在地と目的地のずれへ結び付ける読みは、磁気羅針盤の用途から広げた現代的な連想です。古代アルゴ船の神話を直接の根拠にはできません。器具の働きと占術上の意味を分けることで、何を手掛かりにした解釈かが明確になります。