哲学・心理
連言錯誤
れんげんさくご 別名:conjunction fallacy・連言の誤謬・連言誤謬意味
連言錯誤とは、二つの出来事が同時に起こる「AかつB」のほうを、Aだけ、またはBだけより起こりやすいと判断する誤りです。AかつBはAの一部であり、その確率はA全体以下になります。
解説
確率では、AかつBに当てはまる事例はすべてAにも当てはまります。たとえば「銀行員で、環境活動にも参加する人」は「銀行員」の集合の内側に位置します。条件を一つ加えると対象は同じか少なくなるため、連言の確率は各条件単独の確率以下です。詳しい筋書きが人物像によく合う時、この包含関係より物語のもっともらしさが目立つことがあります。
トヴェルスキーとカーネマンは一九八三年、大学で哲学を学び、差別や社会正義に関心を持つリンダという架空の人物を示しました。参加者の多くは「銀行員」より「銀行員で、女性運動に積極的」のほうを起こりやすいと順位づけています。後者の描写が人物紹介に似合うため、典型との一致を手掛かりにする代表性が、集合の大小より優先されたと説明されました。連言錯誤は、印象が詳しいほど確率も高いように感じられる場面を捉えます。
一方、質問文の受け取り方も回答へ影響します。ハートウィッグとギーゲレンツァーは、「確率」という語が日常語として読まれる余地を調べ、百人中の人数のような頻度表現では数学的な包含関係が伝わりやすいと報告しました。したがって回答だけを見て直ちに能力や非合理性を決めると、言葉の解釈を取りこぼします。確率を点検する時は、Aの人数、そのうちBにも当てはまる人数という入れ子の形に置くと関係が明瞭です。代表性ヒューリスティックは典型との似方、基準率無視は集団全体の割合を軽く見る点に焦点があります。
カードで将来を考える場合、「転職する」と「転職し、海外へ移り、仕事で成功する」を分けて記録します。後者は詳しく魅力的な物語でも、複数の条件がすべて成立する範囲です。カードの図像から得た解釈、相談者の計画、現実の確率資料は別欄に置き、根拠の種類を区別します。転職、移住、成功の各条件について、必要な手続きと判断期限を確かめれば、物語のまとまりと実行可能性を比べられるでしょう。最後に連言錯誤の観点から、複数条件を束ねた予測と、各条件単独の範囲を照合します。