哲学・心理
錯誤相関
さくごそうかん 別名:illusory correlation・false correlation・錯覚相関・幻想相関意味
錯誤相関とは、二つの出来事が一緒に起こる頻度の比較を誤り、実際以上に強い関連があると判断する傾向です。期待に合う組み合わせや、珍しい出来事同士の組み合わせが目立つと、統計上は独立した変数にも結び付きが見えることがあります。
解説
チャップマンは一九六七年、単語の組を同じ頻度で提示する実験を行いました。参加者は、意味のつながりが強い単語同士や、長くて目立つ単語同士が一緒に出た回数を多く見積もりました。実際の提示回数が同じでも、事前の連想と目立ちやすさが関連判断を動かした結果です。同年のチャップマン夫妻の研究では、人物画の特徴と症状を無相関に組み合わせても、臨床で広く信じられていた組み合わせが再び見いだされました。
ハミルトンとギフォードは一九七六年、人数の異なる二集団について、好ましい行動と好ましくない行動を同じ比率で提示しました。参加者は、小さい集団が好ましくない行動をした割合を高く見積もり、集団への評価も低くしました。小さい集団と好ましくない行動はどちらも出現回数が少ないため、その組み合わせが目立ちます。一九九〇年のメタ分析は、この種の錯誤相関が中程度の強さで見られ、珍しい行動が否定的な内容の時に効果が強まると報告しました。
錯誤相関の仕組みには複数の説明があります。二〇一九年の二実験では、個々の事例をどの集団に結び付けて記憶したかと、各変数の出現率からその場で導いた推論を別々に測りました。結果は、錯誤相関の判断と事例記憶の対応が弱く、その場の推論との対応が強いことを示しています。この結果を受け、記憶の目立ちやすさを唯一の原因とする説明も再検討の対象となりました。どの仕組みが働いたかを読むには、事前の連想、出現率、記憶を分けて調べる必要があります。
カードと出来事の関係を調べる記録表は、横軸をカードが出た時と出なかった時、縦軸を出来事が起きた時と起きなかった時に分けます。四つの組み合わせを数えたら、カードが出た時の出来事発生率と、出なかった時の発生率を比較します。二つの率が同程度なら、印象に残った的中例と統計上の関連は別のものです。確証的情報探索は集める事例の偏り、利用可能性ヒューリスティックは思い出しやすさ、クラスター錯覚は一つの系列に見える固まりが中心です。錯誤相関では、二変数の組み合わせ全体を比較します。