哲学・心理

事前確率

じぜんかくりつ 別名:prior probability・事前の確率

意味

事前確率は、新しい証拠を得る前の時点で、仮説が成り立つと見積もる確率です。ベイズ統計では、事前確率と新しいデータを組み合わせ、証拠を得た後の事後確率を求めます。

解説

ベイズ統計では、調べたい説明や予想を仮説と呼びます。調査を始める時点で仮説に与える見込みが事前確率です。そこへ、新しいデータがその仮説の下でどの程度起こりやすいかという情報を加えると、証拠を得た後の見込みである事後確率を計算できます。

事前確率が結果に与える影響は、検査の例で分かります。千人のうち十人がある病気を持つ集団を考えると、検査前の事前確率は1%です。検査が患者の90%を陽性と判定し、病気のない人の5%も誤って陽性とする場合、真の陽性は九人、偽の陽性は約五十人になります。陽性という証拠を得ても、実際に病気である見込みは約15%です。この単純化した例は、検査結果だけを見て元の発生率を忘れると、見込みを大きく読み違えることを示します。

事前確率の決め方には、過去のデータ、先行研究、理論上の制約、専門家の判断などが使われますが、採用する情報によって値が変わるため、設定の根拠を示す必要があります。ベイズ認識論では、証拠を得る前の確信度をどのように定めるべきかが「事前確率の問題」として議論されています。

占いで就職や契約の成否を考える時も、応募数、過去の通過率、必要な条件など、すでに分かっている情報が判断の出発点です。カードは心配や選択肢を言葉にするために使えますが、客観的な事前確率を求める場合は、比較できる件数と条件を集め、カードの解釈と分けて考えます。