哲学・心理
利用可能性ヒューリスティック
りようかのうせいひゅーりすてぃっく 別名:availability heuristic・availability bias・可用性ヒューリスティック・利用可能性バイアス意味
利用可能性ヒューリスティックとは、例をどれほど思い出しやすいかを手掛かりに、出来事の頻度や起こる確率を見積もる方法です。思い出しやすさは実際の多さを反映することもありますが、目立つ報道、直近の経験、質問の仕方などにも左右されます。
解説
この用語の「利用可能性」は、記憶から取り出しやすい状態を指します。一九七三年の研究では、英単語について、Kで始まる語と三文字目がKの語のどちらが多いかを尋ねました。Kで始まる語の方が例を挙げやすいため、多いと判断されやすい一方、調べた語群では三文字目がKの語の方が多いという結果でした。
判断には、思い出した例の数に加え、思い出す時の容易さも影響します。一九九一年の実験で六個を挙げる条件と十二個を挙げる条件を比べると、六個の条件で自分を自己主張的だと高く評価しました。十二個を挙げる課題は難しく、その難しさが「自分には例が少ない」という手掛かりになったと解釈されています。
顕著性バイアスは目立つ情報へ注意が向く傾向で、目立った出来事が記憶に残ると利用可能性を高めます。ただし、両者は注意と想起という異なる段階を指します。基準率無視は、集団全体でどれほど起きるかという一般的な割合を判断に十分使わない問題です。想起しやすい個別例を重く見る判断は、集団全体の割合を省く判断と重なる場合があります。二つの用語は、個別例の想起と一般的な割合の利用という軸で区別します。
タロットの的中やサービスの満足度を振り返る時、強い印象を残した一件が全体の代表になることがあります。対象期間と分類基準を先に決め、一致、不一致、判断が分かれる例、後から確かめられない例を一つの記録へ集める方法が有効です。各分類の件数を全体件数と並べれば、印象深い例が全体に占める割合を確かめられます。