哲学・心理

擬似確実性効果

ぎじかくじつせいこうか 別名:pseudocertainty effect・pseudo-certainty effect・疑似確実性効果

意味

擬似確実性効果とは、複数段階の選択で、ある段階へ進めた場合の「確実な結果」を、開始時点から確実であるかのように重く評価する現象です。最初の分岐まで含めた全体確率は不確実でも、条件付きの表現が確実性の感覚を作ります。

解説

トヴェルスキーとカーネマンは一九八一年、二段階のゲームを使って表現の影響を調べました。参加者八十五人のうち七四%は、第二段階へ進んだ場合に三十ドルを確実に得る選択を取り、二六%は同じ条件で四十五ドルを八〇%の確率で得る選択を取りました。ただし、第二段階へ進む確率は二五%です。全体では前者が二五%で三十ドル、後者が二〇%で四十五ドルとなります。

同じ最終結果を一段階の選択として示した別の問題では、八十一人のうち四二%が二五%で三十ドル、五八%が二〇%で四十五ドルを選びました。最終的な金額と確率は同じでも、第二段階の中だけで三十ドルを「確実」と示すと選好が逆転しました。一九八六年の再検討では、共通する第一段階を判断から外し、残った分岐へ注意を向ける枠組みとして説明されています。第二段階へ到達した後なら三十ドルの確実性は成立しますが、到達前の選択には第一段階の確率も残ります。

一九七九年のプロスペクト理論は、確実な結果が確率的な結果に比べて大きく評価される確実性効果と、選択肢に共通する要素を判断から省く分離効果を示しました。擬似確実性効果は、この二つが多段階の表現と結び付く場面です。確率加重は確率と心理的な重みの対応、ゼロリスクバイアスは一つの危険を完全に除く案への選好を対象とします。似た結果が現れても、選択肢の構造と測定対象を分ける必要があります。

占いで「この条件を満たせば成功は確実」と示された時は、相談時点から結果までの分岐を決定木へ書きます。第一段階へ進む確率が二五%で、その先の成功率が一〇〇%なら、開始時点の成功率は二五%です。採用、契約、相手の同意など、自分以外の判断が入る分岐も加えます。条件付きの成功率と、開始時点から見た全体確率を併記すると、局所的な確実性に引かれた選択を見直せます。