哲学・心理
確率加重
かくりつかじゅう 別名:probability weighting・probability weighting function・決定加重意味
確率加重とは、示された確率を、その出来事が選択の評価へ及ぼす重みへ変換する考え方です。ここで使う決定加重が表すのは、プロスペクト理論の評価式で各結果へ与える影響の大きさです。確率の見積もりとは役割が異なります。
解説
期待効用理論では、各結果の効用へ確率をそのまま掛けて候補を評価します。プロスペクト理論では、その確率を決定加重へ変換してから、結果の価値と組み合わせます。決定加重は、示された確率が選択へ与える働きを数値化したものです。本人が信じる確率や、合計が一になる確率分布とは性質が異なります。確率加重の対象は、示された確率が選択へどれほど強く働いたかです。確率予測の正確さを測る指標とは役割を分けます。
初期のプロスペクト理論では、低い確率が相対的に大きな決定加重を受ける場合が示されました。同じ論文は、ごく低い確率が選択時に無視される場合も挙げています。その後の累積プロスペクト理論は、低い確率付近で変化へ敏感になり、中程度から高い確率では変化への感度が弱まる形を、利得側と損失側に分けてモデル化しました。この傾向の形は課題や人によって変わります。「低確率は常に重く、高確率は常に軽い」という一律の規則から、適用範囲が限られる点に注意が必要です。
例えば、資料に一パーセントと示された損失リスクを検討する時は、まず一パーセントという確率を資料の値として残します。そのうえで、まれな損失への不安が候補評価をどれほど動かしたか、起きた場合の損失額はいくらか、予防費用を負担できるかを別々に記録します。確率加重が説明するのは選択への影響です。元の一パーセントを別の確率へ書き換える操作は、この概念の役割から外れます。
タロットを読む際、カード名、向き、人物、持ち物、背景、配置は図像上の事実として記録できます。「起こる可能性の低い失敗を強く気にしている」という言葉は占術上の解釈に当たり、本人へ尋ねるための仮説になります。カードの役割は、事故率、病気の経過、法的な結論、投資収益の確率を考えるきっかけまでです。現実の判断では、出来事の確率、起きた場合の影響、対策の費用を、公的統計、契約書、専門家の説明などから確かめます。
確実性効果は、確実な結果と確実性を少し下回る結果の差が、同程度の確率差より大きく選択へ働く傾向です。期待効用は確率を直接使う規範的な評価の枠組み、プロスペクト理論は参照点からの利得と損失に価値関数と決定加重を組み合わせる記述的な理論です。確率加重は、その理論のうち確率が選択へ及ぼす影響を表す部分に焦点を置きます。