哲学・心理

プロスペクト理論

ぷろすぺくとりろん 別名:prospect theory・累積プロスペクト理論・cumulative prospect theory

意味

プロスペクト理論とは、リスクを伴う選択で、人が結果を参照点からの利得と損失として評価し、その価値へ確率から変換した決定加重を組み合わせる過程を説明する記述的な理論です。

解説

KahnemanとTverskyが一九七九年に示した原型は、金額と確率が明示された選択を中心に、選択肢を整理する編集段階と、価値を比べる評価段階を置きました。一九九二年の累積プロスペクト理論は、決定加重を累積的に構成し、結果が複数ある選択や確率を数値で特定しにくい不確実性へ適用範囲を広げています。二つは同じ理論史に属しますが、評価式の形と扱える問題の範囲が異なります。

評価の出発点になる参照点とは、結果を利得または損失とみなす基準です。現在の状態が基準になる場合に加え、期待していた水準や説明のされ方によって参照点が動く場合もあります。価値関数は、利得側で増加に伴う感度が下がる凹型、損失側で減少に伴う感度が下がる凸型として表され、参照点付近では同じ金額の利得より損失の変化が急になる形を取ります。これらは逓減感度と損失回避を表すモデル上の特徴です。

もう一つの構成要素が確率加重です。累積プロスペクト理論は、低確率の利得でリスクを取りやすく、低確率の損失では避けやすい一方、高確率の利得では避けやすく、高確率の損失で取りやすいという四分型を説明します。このモデルが示すのは、研究で観察された選択傾向です。個々の選択は、結果の大きさ、提示方法、経験、感情などによって変化します。

例えば、最終的な所持金が同じでも、「予定より二万円多い」と受け取る場合と「目標より二万円足りない」と受け取る場合では、利得と損失の位置づけが変わります。判断を見直す際に別欄へ置く項目は、最終的な金額、基準にした水準、各結果の確率、起きた場合の影響です。この整理によって、同じ結果への反応が異なる理由を、性格だけに帰さずに検討しやすくなります。

タロットカードの図像として確認できるのは、カード名、向き、人物、持ち物、背景、配置です。「失うことへの不安が基準を動かしている」という言葉は占術上の解釈であり、参照点を本人へ尋ねるための仮説になります。確率、損失額、法的効果、医学的な見通しには現実の資料が必要です。本人が何を基準に利得と損失を分けたかを聞き、数値や制度上の事実は契約書、公的資料、専門家の説明から補います。

期待効用は、結果の効用を確率で加重する規範的な理論です。損失回避は、参照点付近で損失側の価値変化が利得側より急になる特徴を指します。確率加重は、示された確率を選択への影響の大きさへ変換する構成要素です。三つを分けると、合理的な評価の基準、結果の感じ方、確率の働き方のどこを説明しているかが見えます。