哲学・心理

期待効用

きたいこうよう 別名:expected utility・EU・期待効用理論

意味

期待効用とは、ある選択から生じ得る各結果について、本人にとっての望ましさを表す効用へ、その結果が起こる確率を掛け、すべて足した値です。結果が確実でない複数の候補を、確率と価値の両方から比べるために使います。

解説

計算では、最初に候補ごとの結果、各結果の確率、各結果の効用をそろえます。たとえば屋外催事を開く案に、晴天なら効用八十で確率〇・七、雨天なら効用二十で確率〇・三と仮定すると、期待効用は八十掛ける〇・七と二十掛ける〇・三の合計で六十二です。この数字は、説明のために仮定を置いた計算例です。効用は本人にとっての価値を表し、金額そのものと異なる場合があります。そのため、金額へ確率を掛ける期待金額とは分けて考えます。

フォン・ノイマンとモルゲンシュテルンは、確率が付いた結果の組み合わせであるくじへの選好が、完備性、推移性、連続性、独立性などの条件を満たす時、その選好を期待効用の最大化として表せることを示しました。これは不確実な選択を評価する規範的な枠組みです。実際の選択を記述する研究では、アレの選択問題など、条件と一致しない反応も論じられています。実務で使う確率には統計、見積もり、本人の判断があります。出典、確認日、対象への当てはまり、推定の幅を記録しておくことが重要です。

タロットでは、カードの名前、向き、人物、持ち物、背景、配置が図像上の事実です。そこから「失敗した時の負担を軽くしたい」と気付く部分は占術上の解釈を経た価値の候補になります。カードの役割は、結果や大切な価値へ目を向けるきっかけです。確率は現実の記録や専門情報から検討し、効用は本人が大切にする結果との関係から定めます。健康、法律、金融の判断では、数値の根拠を該当分野の専門家にも確かめます。

効用は、結果が本人にとってどれほど望ましいかを表す尺度です。主観確率は、ある出来事が起こると本人が考える度合いを確率で表します。リスク下の選択は、起こり得る結果と確率が分かる状況で候補を選ぶ問題です。期待効用は、この三つをつなぎ、同じ人の選好と同じ効用尺度を使う範囲で、候補全体の評価を比べます。