哲学・心理
義務論
ぎむろん 別名:deontology・deontological ethics・義務倫理意味
義務論は、行為の正しさを、守るべき義務、他者の権利、禁止や許可に照らして判断する倫理理論の総称です。良い結果が見込まれる場合でも、同意を踏みにじる行為や人を手段として利用する行為には制約を置きます。結果は状況を理解する材料であり、最終判断には義務や権利への適合も必要です。
解説
義務論は、選択を「求められる行為」「禁じられる行為」「してもよい行為」に分けます。その基準となるのは、約束、権利、本人の同意、公平に適用できる規則などです。帰結主義が行為や規則から生じる結果を中心に置くのに対し、義務論は結果とは別に守る理由がある規範を優先します。
イマヌエル・カントの倫理学は、義務論の有力な源流です。カントは、自分の行動原則を誰もが採用する法則として望めるかを問う定言命法を示しました。さらに、人を自分の目的のための手段として利用する時にも、その人自身の目的と判断する力を尊重するよう求めています。現代の義務論には、カントの理論に加え、個人の権利や合意を基礎にする立場もあります。
義務には、例外を厳しく制限するものと、方法や時機に選択の余地があるものがあります。約束を守る義務と危害を防ぐ義務が衝突する時は、誰が誰にどの義務を負うか、どの権利が影響を受けるかという整理が出発点です。その上で法令、契約、職業上の規範を確かめ、採用した根拠と例外の条件を記録します。この記録が、都合に合わせた規則変更を防ぐ基準になります。
相談サービスでは、料金と提供範囲の事前説明、録音や事例利用への同意、秘密保持が判断の土台です。カウンセリングの倫理綱領は、資格や方法を正確に伝え、秘密と苦情手続きを守る実務例を示しています。占いサービスへ適用される法的義務は、地域、契約、提供形態で変わります。そのため、実際の規約と法令には個別の確認が必要です。
タロット相談で事実として確かめられるのは、説明した料金、交わした合意、保存した記録、相談者が示した希望などです。カードの図像から義務や約束を連想する部分は占術上の解釈に当たります。同意や契約の条件は、カードの解釈とは独立して有効です。医療、法律、安全に関する義務は、カードの読みから切り離し、該当する制度と専門的な情報に基づいて判断します。