哲学・心理
選択支持バイアス
せんたくしじばいあす 別名:choice-supportive bias・choice-supportive memory・choice-supportive misremembering・選択支持的記憶意味
選択支持バイアスとは、過去に選んだ案の特徴を、その選択に都合よく記憶し直す傾向です。選んだ案には実際以上に長所を、見送った案には実際以上に短所を結び付ける、特徴の出どころに関する記憶違いが中心です。
解説
二〇〇〇年の研究では、参加者が二つの案から一方を選び、後から各特徴がどちらの案に属していたかを答えました。参加者は、正しく思い出した特徴と取り違えた特徴の両方で、肯定的な内容を選んだ案へ多く結び付けました。否定的な内容を見送った案へ結び付ける誤りも見られています。特徴を覚えていても、どの案の情報だったかを取り違える現象は、情報源の記憶に関する誤りです。
二〇〇七年の二つの実験は、実際に選んだ案と、本人が選んだと思っている案を分けて調べました。選択を取り違えた参加者は、本人が選んだと信じる案に合うよう、実際の選択内容を記憶し直しました。別の実験で誤った選択を伝えられた参加者も、その案へ肯定的な特徴を多く結び付けています。この結果は、思い出す時の信念も記憶の組み立てに影響することを示します。選択時の注目は、考えられる要因の一つです。
選択支持バイアスは、過去の特徴がどの案に属していたかを記憶し直す点に焦点を当てます。認知的不協和は、選んだ案の欠点と見送った案の長所を同時に意識する時などに生じる心理的な緊張です。後知恵効果は、結果を知った後で事前の予測を再現しにくくなる傾向を指します。なお、選択支持バイアスの研究は、用意された特徴を見て所属先を答える再認課題が多い状況です。現在の研究から、日常の自由な振り返りにおける効果の強さを断定するのは困難です。
選択前の比較表を保存し、各案について当時分かっていた利点と負担を記します。未確認の情報と、判断に使ったカードの解釈も同じ時点で残すのが要点です。決定後に加えるのは、実際に起きた結果と後から変えた解釈です。元の記録を保ったまま、選んだ案の欠点と見送った案の利点を同じ基準で読み返します。この手順で、記憶の変化と現実の変化を区別できます。