哲学・心理

ホーン効果

ほーんこうか 別名:horn effect・horns effect・reverse halo effect・ホーンズ効果

意味

ホーン効果とは、対象の一つの好ましくない特徴や全体的な悪印象が、根拠の異なる評価項目まで不利な方向へ動かす現象を指す通称です。研究文献では、ハロー効果が負の方向へ表れた場合を説明する語として使われます。

解説

ホーン効果を見分けるには、悪印象の出所になる特徴と、影響を受けた評価項目を分けます。たとえば連絡が一度遅れたという情報から、占い手の知識、料金の公平さ、個人情報の管理まで低く評価した場合、返信速度が出所、残る三項目が影響先です。返信の遅れが契約遵守の評価に関係する場面はありますが、知識や情報管理を判定するには各項目に対応する証拠が要ります。

ソーンダイクは一九二〇年、上官が兵士の体格、知性、指導力、人格などを別々に評定した記録で、項目間の相関が高く均一になる問題を報告しました。評定者が人物を全体として優秀または劣っていると捉え、その印象で個別項目を染める可能性を論じています。同論文は誤差全体を halo と呼び、正方向と負方向を一つの問題として検討しました。ホーン効果という呼び名は、負の特徴から別の特徴へ低評価が移る方向を示します。

ニスベットとウィルソンの一九七七年の実験では、百十八人の大学生が、同じ講師を温かく親しみやすく見せる動画か、冷たく距離を置いて見せる動画を視聴しました。冷たい動画を見た群は、講師の外見、身振り、訛りまで不快と評価しています。参加者は全体印象から個別評価への影響を自覚しにくく、冷たい講師を見た群は個別特徴への嫌悪が全体評価を下げたと考えました。後続の再現実験では、ハロー効果について事前に警告した条件でも、温かさによる個別評価の差が残っています。

塔や悪魔の図像を怖いと感じた時は、描かれた物、カードに割り当てた意味、展開内の位置を別々の欄へ置きます。そのカードの暗い印象から、デッキの品質や占い手の能力まで低く見積もる評価は、ホーン効果の構造です。展開全体を悪い結果だと感じた場合は、ネガティビティバイアスや顕著性バイアスという別の説明も検討します。判断を修正する第一歩は、低評価を付けた各項目に固有の証拠があるかを確かめることです。呼び名は、その構造を説明するために使います。