哲学・心理
価値尺度
かちしゃくど 別名:value scale・value function・価値関数意味
価値尺度とは、費用、時間、品質など各基準の実測値や段階を、その結果がどれほど望ましいかを示す得点へ変換する物差しです。多基準意思決定では、基準ごとに評価範囲と端点を定め、共通形式の得点を作ります。
解説
価値尺度を作る出発点は、性能と価値を分けることです。性能は「通勤三十分」「月額二万円」のように候補が各基準で達成する実測値を指します。価値は、その性能を本人がどの程度望ましいと評価するかを表す得点です。例えば通勤時間の評価範囲を〇分から六十分とし、〇分を一〇〇点、六十分を〇点に置きます。直線で換算する仮定なら三十分は五十点です。数値は仕組みを示す例であり、実際の端点には候補範囲と本人の判断を使います。
価値尺度を作る時は、基準名、測定単位、望ましい方向、検討する範囲を先に定めます。その範囲で最良を一〇〇、最悪を〇とし、中間の二五、五〇、七五に相当する性能を本人へ尋ねて曲線の形を決める流れです。中間性能の価値が端点を結ぶ直線上に置かれる場合は、線形尺度になります。一方、途中から改善の価値が緩やかになる形は逓減型の曲線です。端点、質問、判断者、作成日を記録しておくと、得点の由来を後からたどれます。
各基準を同じ〇から一〇〇の形にすると、費用の八十点と安全の八十点は、それぞれの基準内での位置を表します。基準をまたいで得点を足す時は、各基準を最悪から最良へ動かす価値の幅を比べ、スイング・ウエイトと呼ぶ重みを定めます。重みを掛けた後に各得点を合計し、重みや性能値を変えた感度分析で順位の安定性を調べる手順です。安全、法令、本人の同意など交換から外す条件は、合計点とは別に最低条件として置きます。
タロットでは、カード名、向き、人物、持ち物、背景、配置が図像上の事実です。「自由時間を重視したい」「支援の確実さも比べたい」という言葉は占術上の解釈であり、評価基準の候補として書き出せます。通勤時間、費用、支援回数、安全条件は、時刻表、見積書、契約書、公的資料などから調べます。価値得点と端点は、本人が現実の性能と優先度を基に定める判断です。カード解釈と出典は別欄へ記録します。
効用は、候補や結果への選好を数値で表す広い概念です。価値尺度は、確実な性能を基準ごとの望ましさへ変換する役割を担い、リスク態度は不確実性を含む効用モデルで別に表します。多基準意思決定は、複数の価値尺度、重み、感度分析をまとめて候補を比べる方法です。トレードオフは、一つの目的を改善するために別の目的をどれだけ譲るかという交換関係を指します。