象徴
染料
せんりょう意味
染料は、液体に溶かす、または液中で扱う色素を、繊維、紙、皮革などの素材へ取り込ませて色を与える色材です。結合材と混ぜた粒子で色を置く顔料とは働き方が異なり、素材と染める条件が発色や色の残り方に関わります。
解説
染料は、液体に溶かす、または液中で扱う色素を、繊維、紙、皮革などの素材へ取り込ませて色を与える色材です。顔料は、細かな粒子を結合材に混ぜ、塗膜として表面に色を残します。二つの違いは、色材が粒子として層にとどまるか、素材と結び付いて色を見せるかにあります。
染める前に知りたいのは、どの素材と、どの条件を組み合わせるかです。媒染剤は、染料を繊維へ結び付けるために使う物質で、ミョウバンのような水溶性の金属塩が用いられます。媒染剤の種類は色合いと、水洗い・光・汗に対する色の残り方へ影響します。
染料には、植物や動物から得る天然染料と、化学的に作る合成染料があります。メトロポリタン美術館の保存科学資料は、十九世紀半ばまでの繊維が植物・動物由来の天然染料で色を得ていたことを伝えます。石炭タールから初めて合成染料が作られると、色材の選択は大きく広がりました。
染料の分類には、原料を手掛かりにする見方と、繊維へ入れる工程を手掛かりにする見方があります。直接染料は媒染剤を必要とせず繊維へ付きやすい種類です。インディゴのような建染染料は、還元で液に溶ける状態へ変え、染めた後に空気で酸化して色を戻します。
水に溶ける染料をアルミナなどの基材に沈着させれば、絵画で使うレーキ顔料になります。マダーレーキやコチニールレーキは、この変換を経た色材です。色材の名称を読むときは、染料そのものか、染料を顔料にしたレーキかを分けると、制作工程が見通せます。
歴史資料の染料を調べる保存科学では、少量の繊維から色素を取り出し、クロマトグラフィーで成分を分けます。紫外可視スペクトルは、分けた成分がどの波長の光を吸収するかを示す記録です。見た目の色に繊維と色素の分析を重ねることで、材料名の候補へ根拠を加えます。
占い・創作では、色素が素材へ入り込み、布の印象を変える工程から、染料を浸透、所属、変化の象徴として読むことがあります。この読みは、染色の物性を起点にした比喩です。化学的な説明とは別の役割として置きます。