哲学・心理

証拠主義

しょうこしゅぎ 別名:evidentialism・認識論的証拠主義・エビデンシャリズム

意味

証拠主義は、ある命題を信じる、否定する、判断を保留するという態度のうち、どれが認識上ふさわしいかは、その人が持つ証拠によって決まると考える立場です。証拠が支える強さに、確信の強さを合わせます。

解説

哲学者アール・コニーとリチャード・フェルドマンは、ある時点で命題に向ける態度が、その時に本人の持つ証拠へ適合する場合に正当化されると定式化しました。ここでいう態度には、肯定して信じること、否定して信じること、どちらにも決めず保留することがあります。証拠が一方を十分に支えるなら信じる態度が適合し、拮抗していれば保留が適合するという考え方です。

何を証拠として数えるかは、証拠主義の内部にも残る論点です。コニーとフェルドマンの説明では、知覚や記憶などの経験と、すでに正当化された信念が証拠を構成します。別の理論は、知っている事実を証拠としたり、外界の事実そのものを理由に含めたりします。証拠主義という原則を採用した後も、証拠の種類と、本人がその証拠を持つ条件について追加の理論が必要です。

判断を決めるのは、本人が持つ証拠の総体です。主催者の開催告知を見た後に中止告知を受け取れば、後の情報も合わせて態度を改めます。同じ告知を転載した記事が十件あっても、元の情報源は一つです。件数、情報源の独立性、更新日時を分けると、重複した情報を強い裏付けと数える誤りを避けられます。

証拠主義は、正当化を証拠への適合から説明します。信頼性主義は、信念を生む知覚、記憶、推論などの過程が、実際に真の信念を生みやすいかを重視する立場です。ベイズ認識論では、証拠を得る前の確信度と、各仮説のもとで証拠が現れる見込みを用いて確信度を更新します。三つの立場は、正当化や合理的更新を説明する中心を、証拠への適合、過程の信頼性、確率の更新へそれぞれ置きます。

タロットでカードが出た事実は、どのカードをどの位置で読んだかを確かめる証拠です。解説書からは、その流派がカードをどう解釈するかを知ることができます。「来週連絡が来る」という外部の出来事は、カードと解説書から得た支えを改めて評価する対象です。連絡履歴、相手の発言、締切など、命題に対応する資料も照合します。証拠が拮抗する場合の適切な態度は判断保留です。認識的正当化、信頼性主義、ベイズ更新の各ページをたどると、理由、過程、確信度の更新という違いが明確になります。