哲学・心理

感情ヒューリスティック

かんじょうひゅーりすてぃっく 別名:affect heuristic・情動ヒューリスティック

意味

感情ヒューリスティックとは、対象から受ける「良い・悪い」という感覚を手掛かりに、利益や危険を素早く見積もる思考方略です。ヒューリスティックとは、限られた時間や情報で判断を進める簡便な方法を指します。

解説

一九九四年の研究では、技術や活動を好ましく感じるほど利益を高く、危険を低く評価する関係が報告されました。反対に、全体として悪い印象を持つ対象は、危険が大きく利益が小さいと評価される傾向がありました。この結果は、一つの好悪が利益と危険の両方へ移る可能性を示しています。

二〇〇〇年に報告された二つの実験は、この仕組みをさらに調べました。時間制限を設けると、利益と危険の評価が反対方向へ結び付く関係が強まりました。また、対象を好意的または否定的に捉える情報を与えると、利益と危険の評価もそれに沿って変化しました。分析へ使える時間や対象への印象が、見積もりへ影響することを示す結果です。

感情を手掛かりにする方法は、経験が蓄積した場面で判断を速めることがあります。一方、強い画像、直前のニュース、個人的な記憶が対象の実際の確率や費用と合うかは、別に確かめる必要があります。感情は自分の関心や警戒を知る情報として受け止め、利益、危険、起こりやすさの根拠を分けると、判断の過程が明確です。

タロットで明るい絵柄を「良い結果」、暗い絵柄を「危険」と先に評価した時、このヒューリスティックが働いている可能性があります。最初に生じた好悪は一言で記録し、次にカードへ描かれた事実、相談者が得るもの、負う費用、現実の危険を分けて書く方法が有効です。こうすると、第一印象を読みの入口として残しながら、選択肢全体の価値を印象だけで決めた箇所が見つかります。